ChatGPT・Claudeをマーケティングに活かす実践ガイド
リサーチ・アイデア出し・下書き・要約でのAI活用手順と、AIに任せてはいけない業務の線引きを解説します。
キーワード候補のブレインストーミングで30分手が止まる、競合5社のLPを読み比べて共通点を言語化するのに1時間かかる——コンテンツマーケティングの現場では、こうした「手を動かす前の助走」に時間を取られがちです。ChatGPTやClaudeのようなチャット型AIに素材を渡せば、リサーチのたたき台や見出し案、要約は数十秒で返ってきます。ただし、任せてよい範囲と自分の判断に残すべき範囲を最初に線引きしておかないと、下書きの手直しに余計な時間がかかったり、事実誤認を含んだ文章をそのまま公開してしまう事故につながります。
ChatGPT・Claudeはリサーチの下地づくり、アイデア出し、下書き、要約の4場面で特に効果を発揮します。一方で、顧客の非公開データ、最終的に公開する数値や事実、ブランドの言い回しの最終判断、ファクトチェックはAI任せにできません。これらを最初に切り分けておくことが、実務でAIを使い続けるための前提条件です。
前提 — 何を渡し、何を自分の判断に残すか
ChatGPT・Claudeともに、あらかじめ希望する文体や制約を登録しておく仕組みを持っています。OpenAIはChatGPTの「カスタム指示」機能について、業種や希望するトーンを事前に設定しておくと、以後の回答にその条件が反映されやすくなると説明しています※1。Anthropicも、Claudeへの指示に条件や出力形式を具体的に書き込むほど出力が安定しやすいと、プロンプト設計のガイドで述べています※3。
まず決めておきたいのは、どの業務をAIに渡し、どこからを自分の仕事として残すかです。目安は次の通りです。
- 渡してよい:公開情報をもとにしたリサーチの下地、見出し案の量産、下書きの叩き台、長文の要約
- 渡さない:顧客の個人情報や契約条件などの非公開データ、確定前の売上・効果測定の数値、ブランドとして最終的に発信してよいかの判断
OpenAIはビジネス向けプランで会話データの学習利用を無効化できる設定があると案内していますが※2、設定の有無にかかわらず、非公開情報を外部のチャットツールに貼り付けてよいかどうかは自社のルールで確認してください。
手順 — リサーチ・アイデア出し・下書き・要約での使い方
①リサーチの下地をつくる
競合の訴求軸や業界の一般的な用語整理など、公開情報の要約から始めます。「◯◯業界の顧客が比較検討時に気にする点を、一般的な傾向として5つ挙げてください」のように、事実として断定させず「一般的な傾向」と条件を付けて聞くと、後の検証がしやすくなります。
②アイデア出しで数を出す
見出し案やSNS投稿の切り口は、1つずつ考えるより先に10案出させてから絞り込むほうが早く進みます。「同じ意味の言い換えは除いて」と条件を加えると重複が減ります。
③下書きをつくる
ブログ記事や広告文の下書きは、構成(見出し・要素)を自分で先に決めてから渡すと、AIが独自の構成を作ってしまう手戻りを防げます。
以下の見出し構成に沿って、記事本文の下書きを作ってください。
見出し1:◯◯とは
見出し2:導入の手順
見出し3:よくある失敗
トーン:実務者向け、敬体、専門用語は初出時のみ説明
文字数目安:見出しごとに300字前後
(ここに構成のメモや参考情報を貼り付け)
④長文を要約する
アンケートの自由記述やヒアリングメモなど、量の多いテキストの要約もAIが得意とする作業です。「元の発言のニュアンスを変えずに、頻出する意見を3つに分類してください」のように、要約の粒度を指定すると使いやすくなります。
任せてはいけない範囲 — 確定情報・顧客データ・最終判断
ここまでの4つはいずれも「下地」や「叩き台」であり、最終判断ではありません。任せてはいけない範囲は具体的に4つあります。第一に、顧客の氏名や契約内容などの非公開データです。第二に、プレスリリースや広告で公表する売上・効果測定の数値そのものです。AIは文脈から「それらしい」数字を補完することがあり、未確認の数値をそのまま生成させると事実と異なる値が紛れ込みます。第三に、ブランドの言い回しとして最終的に世に出してよいかどうかの判断です。AIの下書きはあくまで叩き台であり、ブランドボイスに沿っているかは人が確認する必要があります。第四に、事実確認そのものです。固有名詞や統計、引用元の正確性はAIの出力を鵜呑みにせず、一次情報に当たって確認してください。
つまずきやすい点 — モデルによって得意・不得意が違う
ChatGPTとClaudeは似た使い方ができますが、同じプロンプトでも出力の傾向は異なります。もっとも、どちらが優れているかを一律に決める話ではなく、記事の下書きのように長文の一貫性を求める作業と、短いコピーを大量に出す作業とでは、試してみて相性の良いほうを選ぶのが現実的です。Anthropicの利用ポリシーは、なりすましや欺瞞的なコンテンツ生成を含む用途を明確に禁止しており※4、広告文やレビューの自動生成であっても、実在しない体験談や資格を語らせるような使い方は避ける必要があります。
次の一歩
ここで整理した使い分けを実際の制作フローに落とし込む具体的な手順は、AIでコンテンツ制作を効率化する手順とチェック体制の記事にまとめています。AIに渡すリサーチの精度を高めたい場合は、キーワードリサーチの手順の記事や成果につながる記事構成の作り方の記事もあわせて確認してください。
参考文献
- OpenAI. "Custom instructions for ChatGPT." OpenAI Help Center.
- OpenAI. "Data Controls FAQ." OpenAI Help Center.(2026年時点。設定項目はプランにより異なるため最新情報は公式サイトを参照のこと。)
- Anthropic. "Prompt engineering overview." Anthropic Docs.
- Anthropic. "Usage Policy."(2026年時点。最新情報は公式サイトを参照のこと。)
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