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デジタル戦略

デジタルマーケティングの全体設計:目標からKPIまでの立て方

事業目標からKGI、KPI、チャネル、測定サイクルまでをひとつなぎに設計する手順を、通販事業の例で具体的に解説します。

Folowithe Digital Academy 編集部 約5分

SNS運用や広告出稿から手をつけてしまい、半年後に「結局何がどれだけ効いたのか説明できない」という状態に陥るケースは珍しくありません。原因の多くは、個別の施策を始める前に「何を達成すれば成功なのか」という共通の物差しを決めていないことにあります。KGI・KPIを飛ばしてチャネル選びから入ると、チーム内で評価基準がバラバラになり、予算の判断も感覚頼りになりがちです。ここでは、事業目標からKPIまでを一本の線でつなぐ設計手順を整理します。

要点

デジタルマーケティングの全体設計は「事業目標→KGI→KPI→チャネル・施策→測定の仕組み」という順番で組み立てると、途中で施策を変えても評価の軸がぶれません。特に重要なのは、KPIをチャネルより先に決めることです。チャネルから逆算すると、そのチャネルで測りやすい指標だけが目的化しやすく、事業への貢献が見えにくくなります。

前提 — 全体設計に着手する前に確認すること

この設計手順は、事業側の目標(売上・新規顧客数・解約率の改善など)がすでに言語化されていることを前提にします。目標そのものがまだ曖昧な場合は、まず経営陣や事業責任者とその言語化を先に済ませてください。また、Googleアナリティクスなど計測ツールへの管理権限があることも前提とします※1。権限がない場合は、設計作業と並行して管理者に付与を依頼しておくと後工程が滞りません。

手順 — 4ステップで目標からKPIまでをつなぐ

①事業目標をKGI(重要目標達成指標)に変換する

事業目標は「もっと売上を伸ばす」のような曖昧な言葉で語られがちです。まずこれを、期限と数値が入った1つの文に書き換えます。たとえば「今期末までに月次売上を前期比で伸ばす」という目標であれば、KGIは「月次売上」という指標そのものになります。伸び幅の目標値は事業計画側の数字をそのまま使い、マーケティング側で新たに作り出さないことがポイントです。

②KGIをKPI(重要業績評価指標)に分解する

KGIは結果指標であり、日々の施策からは直接動かせません。KGIを構成する要素に分解し、施策で動かせる先行指標としてKPIを置きます。仮に「月次売上」というKGIを持つ通販事業であれば、KPIは売上の計算式を分解した形で設定します。

KGI:月次売上
KPI①:新規顧客数(広告・SEO経由)
KPI②:平均購入単価
KPI③:リピート購入率(メール・SNS経由)

③チャネルと施策をKPIに紐づける

SEOやSNS、広告といった各チャネルは、それぞれ得意なKPIが異なります。自然検索からの流入を伸ばすには、検索エンジンのガイドラインに沿ったコンテンツ作りを地道に積み重ねる必要があり※2、短期ではKPIが動きにくいという特徴があります。一方、検索広告はコンバージョン率に直結しやすく※3、SNSの投稿はリピート購入率や認知の向上に効きやすいものの、売上への直接的な因果関係は測定しづらいという性質があります。チャネル配分の詳しい考え方は、予算とチャネルの決め方を解説した記事で扱います。

④測定の仕組みと見直しサイクルを決める

KPIを決めたら、どのツールでいつ確認するかも同時に決めます。月次でKPIを確認し、四半期でKGIとの整合性を見直す、といった頻度をあらかじめ決めておくと、数値が悪化した際に慌てて指標を作り直す事態を避けられます。GoogleアナリティクスではKPIに近い行動をコンバージョンとして登録できますが※1、設定できる範囲や集計方法は仕様変更の対象になりやすいため、設定前に必ず公式ヘルプで最新の手順を確認してください。ここまで整理できると、「KGIは何か」「それを構成するKPIは何か」「KPIごとにどのチャネルが担当か」「いつ・誰が数値を確認するか」の4つに一言で答えられる状態になっているはずです。

つまずきやすい点 — KPIを増やしすぎる

設計を丁寧にやろうとするほど、KPIの数が膨らみがちです。ただし、KPIは多ければよいというものではありません。小規模なチームで10個以上のKPIを追いかけると、レポート作成だけで工数を消費し、肝心の改善アクションに時間が回らなくなります。もっとも、事業のフェーズによっては複数のKPIを並行して見る必要がある場面もあり、機械的に「3つまで」といった上限を設けるべきではありません。目安として、意思決定に直結する指標を3〜5個程度に絞り込み、残りは補助指標として月次レビューでのみ確認する、という運用が現実的です。

次の一歩

KGIとKPIの骨組みができたら、次は顧客がその目標に至るまでの経路を具体化する番です。認知から購入・継続までの流れはカスタマージャーニーとマーケティングファネルの作り方の記事で扱っています。チャネルごとの予算配分を決める際は予算とチャネルの決め方を解説した記事を、検索チャネルのテーマ選定まで進めたい場合はキーワードリサーチの手順を解説した記事を参考にしてください。

参考文献

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